ABC諸島(アルバ、ボネール、キュラソー)は、南米ベネズエラの北沖約25〜70kmに浮かぶカリブ海の島々だ。いずれもオランダ王国に属するが、アルバは構成国、キュラソーも構成国、ボネールはオランダ本国の特別自治体と、それぞれ異なる政治的地位を持つ。3島を踏めば国制覇が3つ増える。加えて、アルバの首都オランイェスタッドにはオランダ領カリブ唯一の路面電車がある。国制覇と乗りつぶしを兼ねて、1泊でABC諸島を巡った。

ルート設計

3島すべてを踏むには島間移動が必要になる。ABC諸島間を結ぶZ Airという航空会社があり、キュラソー発・ボネール経由・アルバ着の通し便を夕方に飛ばしている。Z Airはボネールを拠点とする小規模な地域航空会社で、機材はSaab 340Bターボプロップ(34席)。

この便を軸にすると、ルートは自然に決まる。ニューヨークからキュラソー国際空港(CUR)に飛び、同日夕方のZ Airでボネールを経由してアルバへ抜ける。アルバで1泊し、翌朝路面電車に乗ってから帰る。逆ルート(アルバ入り→キュラソー出)だと、到着日に路面電車まで移動する時間と運行時間が読めない。前泊して翌朝から動ける方が確実だ。

ニューヨーク〜キュラソー間はJetBlueの直行便を使った。機内Wi-Fiが全便無料で、6時間のフライトでも作業ができる。帰りはアルバからユナイテッド航空でニューアーク・リバティー国際空港(EWR)へ。アルバ空港にはアメリカのプリクリアランスがあり、到着後は国内線扱いで空港を出られる。

行程

Day 1
08:59 - 14:41ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK) → キュラソー国際空港(CUR) JetBlue 1111便
14:41 - 18:30キュラソー国際空港で待機 Panda Express・VIP Lounge(Priority Pass)
18:30 - 19:00キュラソー国際空港(CUR) → フラミンゴ国際空港(BON) Z Air 683便
19:30 - 20:15フラミンゴ国際空港(BON) → クイーン・ベアトリクス国際空港(AUA) Z Air 683便
20:30 - 20:40クイーン・ベアトリクス国際空港 → オランイェスタッド市内 タクシー(現金米ドル可)
Day 2
09:30ホテル → Welcome Plaza電停 徒歩(約20分)
昼頃Oranjestad Bus Terminal → Aruba空港(AUA) Arubus路線バス$2.60
14:50 - 18:52Aruba空港(AUA) → ニューアーク空港(EWR) ユナイテッド航空 1039便

キュラソー

CURに14:41着。入国審査は10分ほどで通過し、パスポートにスタンプを押してもらった。キュラソーの国制覇を確保。

Z Airの出発まで約4時間ある。制限エリア内にはレストランは選択肢が少ないため、保安検査前にPanda Expressで食事を済ませた。

出国審査を済ませ、保安検査へ。ちょうど複数の便が重なっていたようで、保安検査に20分ほどかかった。

食後、Priority Passで入れるVIP Loungeへ向かったが、満席で入れなかった。オランダ行きのKLM便が出発を控えており、大型機材だったためビジネスクラスの乗客が優先されていた。KLM便の搭乗が始まってからようやく入室できた。ラウンジ自体は広くないが、食べ物は充実していた。

Z Air 683便

18:30発のZ Air 683便でキュラソーを出る。ゲートからバスで駐機場へ移動し、タラップで搭乗した。乗客は観光客が多い。CUR→BON→AUAの通し便で、ボネールのフラミンゴ国際空港(BON)に着陸して乗客を乗降させた後、同じ機材でアルバへ向かう。座席指定はなく、自由席だった。

ボネールでは機内に留まった。入国審査は通過していないが、フラミンゴ国際空港のターミナルを窓越しに確認し、ボネールへの到達とする。国制覇に計上した。

夜のフライトで、機窓からの景色は見えない。CURからBONまで約30分、BONからAUAまで約45分。20:15にアルバのクイーン・ベアトリクス国際空港(AUA)に到着した。タクシーでオランイェスタッド市内のホテルへ向かった。米ドルがそのまま使える。

路面電車未遂

翌朝、ホテルから路面電車のWelcome Plaza電停まで歩いた。約20分。旧市街は石畳の道で、車がほとんど通らず歩きやすかった。

オランイェスタッド路面電車(Tram van Oranjestad)は2012年開業で、クルーズターミナル付近のWelcome Plazaからダウンタウンを経てPlaza Nickyまでを結ぶ単線。全9停留所、運賃は無料。クルーズ船の乗客向けの観光路線で、ダイヤはクルーズ船の寄港状況や曜日で変わる。公式サイトにも「シーズンによって変更されるため、クルーズターミナルのインフォメーションデスクで確認を推奨」とある。通常は月曜から土曜の10時〜17時頃の運行で、日曜は運休。

電停に着いたが、電車が動いている気配がない。近くにいた路面電車の係員に聞くと、「今日は金曜で夜間運転があるから、昼過ぎまで運転を開始しない。天気も悪いからもう少し待て」と言われた。待っている間にスコールが降り、すぐに止んだ。結局、電車は動かなかった。帰りのフライトは14:50発で、保安検査等の時間を考えると昼前には空港に着きたい。これ以上は待てずに諦めた。

Oranjestad Bus TerminalからArubusの路線バスで空港へ向かった。乗客はほとんど地元の人だった。運賃は$2.60。米ドルで支払えるが、お釣りはアルバ・フロリン(AWG)で返ってきた。

アルバ出国とプリクリアランス

クイーン・ベアトリクス国際空港(AUA)は、アメリカ行きとそれ以外でチェックインの場所が分かれている。到着ホールの右側がアメリカ行きのUS Check-Inターミナル、左側がそれ以外の国際線。

アメリカ行きの手続きはこうなる。US Check-Inターミナルでチェックインし、アルバの出国審査を通過する。次に保安検査を受ける。この保安検査はアメリカ行き・非アメリカ行き共通のエリアで実施される。保安検査を抜けた先にPanda Expressがあったので、ここで食事をした。その後、プリクリアランスへ進み、アメリカの入国審査を済ませる。

プリクリアランスはスムーズだった。なおGateway 2030という空港拡張工事の期間中は、出発3時間前から時間帯ごとにUS Check-Inターミナルへの入場が管理されている。早めに空港に着くことを勧める。

ユナイテッド航空1039便でEWRへ。約4時間。到着後は国内線と同じ動線で空港を出た。

次回

路面電車は未遂に終わった。観光路線ゆえにダイヤが当日まで確定しない。月曜〜木曜であれば10時から運行している可能性が高いが、金曜は夜間運転との兼ね合いで開始が遅れることがある。日曜は運休。次回行くなら、曜日の選択と現地での事前確認が必要になる。

ABC諸島の国制覇は3つ確保した。路面電車は、次の機会に回す。ただ、この路面電車のためだけにもう一度来るかと言われると、正直迷う。