韓国の鉄道に乗りに行くなら、ハングルが読めると便利だ。駅名、行き先表示、乗り換え案内。英語併記も増えたが、ハングルしかない場面はまだ多い。
この記事は全2回の連載で、韓国マクドナルドのメニューを題材にハングルの読み方を一文字ずつ覚えていく。最終回ではハングルの全40文字を一覧にまとめる。
- 第1回(この記事):バーガー前半。ハングルの基本構造と19文字
- 第2回:バーガー後半・朝食・ドリンク。新しい文字の追加と全40文字の総まとめ
まず用語を整理しておく。「韓国語」は言語、「ハングル」は文字のことだ。日本語に例えると、「韓国語」が「日本語」、「ハングル」が「ひらがな・カタカナ」に相当する。この記事で扱うのはハングルの方、つまり文字の読み方だ。韓国語の文法や単語を覚える必要はない。
ハングルはローマ字と同じ表音文字で、文字が読めれば音がわかる。そして韓国語には外来語がかなり多い。英語由来のカタカナ語が日本語に溢れているのと同じで、韓国語にも英語やその他の言語から入った単語がそのままハングルで表記されている。つまり、ハングルで音が読めれば、意味まで推測できる単語が多い。
これが、旅行者にとってハングルのコスパが高い理由だ。文法を知らなくても、文字さえ読めれば看板やメニューのかなりの部分が理解できる。
なぜマクドナルドか
ハングルの学習で一番挫折しやすいのは、文字を覚えても「読めた」実感が湧かないことだ。駅名から入ると、知らない地名ばかりで正しく読めたか判断できない。「鶯谷」と書かれても、その駅を知らなければ達成感がない。
マクドナルドのメニューなら、ビッグマック、マックチキンなど、音を知っている状態で文字を解読できる。しかもメニュー名の多くが外来語なので、ハングルの強みがそのまま活きる。韓国マクドナルドのサイトのメニューを使って、一文字ずつ読んでいく。
なお、この記事は旅行者が現地で看板やメニューを読める程度を目指している。正確な発音を学びたい場合は教科書等を参照してほしい。
今回はバーガーメニューから9品を取り上げる。7品で新しい文字を覚え、残り2品は復習用だ。
ハングルの仕組み
ハングルは母音と子音の組み合わせで一文字が成り立っている。英語のアルファベットは1文字が1音だが、ハングルは子音と母音を1つのブロックにまとめて1文字にする。たとえば「바」は子音「ㅂ」(b) と母音「ㅏ」(a) を左右に並べて「バ」と読む。
子音には b/p、k/g のように2通りの読み方を併記しているものがある。語頭では清音(p, k)寄り、語中では濁音(b, g)寄りになる。この記事ではどちらも併記するが、厳密に使い分けなくても通じる。
1955 버거
メニューの最初のバーガーがこれだ。1955はマクドナルドの創業年で、韓国ではその名前を冠した限定メニューがある。数字はそのまま読めるので、「버거」の部分を解読する。
一文字目「버」の左側 「ㅂ」は「b / p」 の音、右側 「ㅓ」は「o」 の音。組み合わせると「ボ」になる。
二文字目「거」の左側 「ㄱ」は「k / g」 の音。右側の「ㅓ」は先ほどと同じ「o」。合わせて「ゴ」。
続けて読むと「ボゴ」。つまり「バーガー」だ。
ここまでで覚えた文字を整理する。
子音
母音
빅맥
一文字目「빅」は3つの部分で構成されている。左上と下は既出の文字。右上の 「ㅣ」は「i」 の音。
3つの部分がある場合、上側を読んだ後に下側の音を最後に加える。「b」「i」「k」で「ビック」。
二文字目「맥」。上左の 「ㅁ」は「m」 の音。上右の 「ㅐ」は「e」 の音。下は既出の「ㄱ」。合わせて「メック」。
「ビックメック」、つまりビッグマックだ。
맥스파이시 상하이 버거
長いが、一文字ずつ分解すれば読める。
「맥」は先ほどの「マック」。
「스」は新しい形。今までは左右に分かれていたが、上下に分かれる文字もある。上の 「ㅅ」は「s」 、下の 「ㅡ」は「u」 。合わせて「ス」。
「파」は左 「ㅍ」が「p」 、右 「ㅏ」が「a」 。「ㅣ」や「ㅓ」と似ているが、横棒の位置に注意。合わせて「パ」。
「이」は左の 「ㅇ」が子音なし を表す。右の「ㅣ」だけが発音され「イ」。
「시」は既出の組み合わせで「シ」。
「상」は要注意。「ㅇ」は下に出てくると「ng」の発音 になる。文字全体で「サン」。
「하」は左の 「ㅎ」が「h」 。合わせて「ハ」。
「이」は「イ」。「버거」は「バーガー」。
全体で「マックスパイシーサンハイバーガー」。マックスパイシー上海バーガーだ。日本にはないメニューで、韓国限定。
ここまでの文字を整理する。
子音
母音
맥치킨
「맥」はマック。
「치」は左の 「ㅊ」が「ch」 。右の「ㅣ」と合わせて「チ」。
「킨」は左上の 「ㅋ」が「k」 。「ㄱ」に似た形で、発音も近い。下の 「ㄴ」は「n」 。合わせて「キン」。
全体でマックチキン。
맥치킨 모짜렐라
前半は同じ。後半を読む。
「모」の下側は初出。「ㅗ」は「o」 。文字全体で「モ」。
「짜」の左側 「ㅉ」は「ㅊ」に似た形で「jj」 の音。文字全体で「ジャ」。
ㅉは「濃音」と呼ばれる文字で、子音を二つ重ねた強い版だ。ㅈ(j)を重ねてㅉ(jj)になる。同様にㄱ→ㄲ(kk)、ㄷ→ㄸ(tt)、ㅂ→ㅃ(pp)、ㅅ→ㅆ(ss)のパターンがある。出現頻度は高くないが、見かけたら元の子音の強い版と考えればいい。
「렐」はすべて初出。「ㄹ」は「r / l」 、「ㅔ」は「e」 。下にも「ㄹ」があり、全体で「レル」。
「라」は「ラ」。
つなげると「モッジャレルラ」。モッツァレラだ。マックチキンモッツァレラバーガー。
더블 1955 버거
「더」は左の 「ㄷ」が「t / d」 。文字全体で「ド」。
「블」は既出の文字で「ブル」。
「ドブル」、つまりダブル。ダブル1955バーガー。
더블 불고기 버거
ここまでに出てきた文字だけで構成されている。自力で読んでみてほしい。
答えはダブルプルコギバーガー。韓国限定メニュー。
에그 불고기 버거
これも既出の文字のみ。目玉焼きが乗ったバーガーの名前が読めたら正解だ。
1955 해쉬브라운
限定メニューも読んでみる。初出の文字が一つ。「ㅟ」は「ui」 と読む。「ㅜ」(u) + 「ㅣ」(i) の組み合わせだ。
全体を解読すると「ハッシュブラウン」になる。バーガーにハッシュポテトが入っている。
まとめ
今回覚えた文字は19種類。
子音
母音
19文字あれば、韓国の街中で見かけるハングルの半分以上は音に変換できる。残りは第2回で扱う。