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日本は島の国 —「島巡り」を始めた話

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旅行 離島
目次

最近、「島巡り」に少しずつ興味が湧いてきた。 元々は鉄道や空港を目的に旅をしていたが、地図を見ているうちに「ここも島か」と思うことが増え、気がつけば「次はどの島に行こうか」と調べるようになっていた。

島国である日本には、無数の島がある。世界的に見ても、日本は「島の多い国」のひとつで、総数では世界7位に位置しているそうだ。 もちろん、すべての島に行けるわけではない。自衛隊の施設があったり、立ち入り禁止だったり、あるいは名前はあっても上陸手段が存在しない島も多い。

それでも、訪問可能な島をひとつずつ巡っていくのは、他の旅とは少し違った楽しさがある。今はまだ、始めたばかりの段階だが、今後も続けていければと思っている。

「島」の定義は意外と難しい

ところで、「島とは何か?」というのは、実はあまり簡単ではない。 国土地理院や海上保安庁では、それぞれ定義を設けている。Wikipediaに掲載されている国土地理院の定義を借りると、次の3つの条件を満たすものとされている(参照)。

  1. 周囲長が0.1km以上の海岸線で囲まれている
  2. 自然に形成されたと判断できる
  3. 内水面にある陸地 (湖や川の中州など) は除外する

つまり、自然にできた「海の島」であることが求められており、人工島や湖に浮かぶ島、中州などは除外される。 とはいえ、そうした場所にも人が暮らしていたり、産業活動があったりする。旅の対象としては十分に「訪れる価値がある」と思う。

今後は、この定義に必ずしもこだわらず、「島っぽいもの」 も含めて訪問していく予定だ。

島を数える難しさと判断の難しさ

地図を眺めていると、「これは島なのかどうか」という微妙な場所によく出会う。 たとえば埋立地や空港、川に囲まれた工業地帯など。 町名として「〜島」と書かれていなくても、実際には地理的に独立した島だったり、逆に島のように見えても橋でつながっていたりする。

例えば、関東周辺でも次のような場所がある:

  • 羽田空港: 埋立地。D滑走路は離れた場所にあるが、誘導路で繋がっている。
  • 昭和島: 東京モノレールの車両基地がある人工島。
  • 浮島 (川崎市): 工業地帯の一部。完全な埋立地。
  • うの島 (河口湖): 湖に浮かぶ自然島だが、内水面なので定義外。

こうした場所を島とカウントするかどうかは、人それぞれの判断による部分が大きい。 私は、「明らかに水で囲まれていて、個別に到達できる場所」であれば、定義に関係なく訪問対象とすることにした。

島に行く理由

島に行くと、少し時間の流れが違うと感じることがある。 それが大規模な観光地であっても、工場の集まる無人島に近い場所でも、どこか“本土”とは違った空気が流れている。

それは地理的に切り離されているという物理的な理由かもしれないし、そこに暮らす人の距離感や、物流の制限、交通手段の限界といったものが、その土地の個性を浮き彫りにするからかもしれない。

島で出会う風景、交通、施設、暮らしの痕跡、そういったものが、「ここにしかない場所」を感じさせてくれる。

これまで訪れた「島っぽい場所」

この旅を始めてから、いくつかの場所を訪れてきた。たとえば:

  • 妙見島 (東京都江戸川区): 東京23区唯一の自然島。旧江戸川に浮かぶ中洲で、現在は工場地帯となっている。
  • 昭和島 (東京都大田区): モノレールで通過するが、工場地帯のため人口は0人。アクセスは意外と簡単。
  • 羽田空港 (東京都大田区): 埋立地としての一大複合施設。D滑走路へは未達。

これらはいずれも観光地ではないが、訪れてみると「島」としての存在感があり、旅の記録としては面白かった。

これからの旅の方針

今後は、関東周辺のアクセス可能な島を中心に、訪問できる範囲で少しずつ巡っていく予定だ。 特に人工島、湖の島、橋でつながった島など、やや曖昧な定義にある場所も、実際に足を運んで確かめてみたい。

もちろん、本格的な離島 (伊豆諸島、小笠原、淡路島、佐渡島など) も機会があれば訪れたいとは思っている。 ただ、時間や天候、アクセス手段などの制限もあるので、まずは“行けるところから”始めるつもりだ。

まとめ: 島という旅のテーマ

「島を巡る旅」は、華やかでも派手でもない。 時には何もなく、歩いて終わるだけの日もある。 けれど、その「何もなさ」や「特に見るものがない」という体験の中に、思いがけず自分の興味が深まる瞬間がある。

たとえば、島にあった古い案内図。 船着き場の残骸。使われなくなった灯台。 地図に小さく載っていた名前を、現地で実際に目にすることの重み。 それは、何気ないようでいて、とても印象に残る。

これからも、自分なりの定義で、ゆっくりと島を巡っていく。 その中で何が見えるのか、何が記憶に残るのか。 それを確かめる旅が、今始まったばかりだ。

hoinu
著者
hoinu
旅行、技術、日常の観察を中心に、学びや記録として文章を残しています。日々の気づきや関心ごとを、自分の視点で丁寧に言葉を選びながら綴っています。

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