来年(2023年)のゴールデンウィークに小笠原旅行を計画しており、そのプランについて解説します。
小笠原諸島とは
小笠原諸島は東京から南へ約1,000kmの太平洋上に点在する島々で、総称して「東京の秘境」と呼ばれることもあります。
父島と母島に約2,400人が暮らしており、その他の島々は無人島です。
2011年には「独自の生態系が保たれていること」が評価され、ユネスコ世界自然遺産に登録されました。特に動植物の固有種の多さは群を抜いており、「東洋のガラパゴス」と称されることもあります。
一方で、第二次世界大戦中は激しい戦闘の舞台となり、現在も戦跡が多く残ります。戦後は米国統治下に置かれましたが、1968年に日本へ返還。歴史的背景を知ったうえで訪れると、観光地としてだけでなく「近現代史を体感できる場」としての側面も見えてきます。
アクセスと旅の難しさ
小笠原へ渡る手段は「船」のみです。東京・竹芝客船ターミナルから小笠原海運の「おがさわら丸」が就航しており、所要時間は片道24時間。航空路が存在しないため、天候や体調を考えると「訪問には計画性と余裕」が欠かせません。
通常は週1便ですが、繁忙期は臨時便が増発されます。2023年ゴールデンウィークは、5月2日(火)に休暇を確保できれば、残りは土日祝日での往訪が可能となり、実質的に訪問しやすい稀少なタイミングとなります。
旅程概要
6日間の旅程の概要はこちらのとおりです。
日時 | 行程 |
---|---|
5/2 11:00 → 5/3 11:00 | 竹芝→父島 (船) |
5/3 14:00 → 5/3 16:00 | 父島→母島 (船) |
5/3–4 | 母島観光・宿泊 |
5/4 15:00 → 5/4 17:00 | 母島→父島 (船) |
5/4–6 | 父島観光・宿泊 |
5/6 15:30 → 5/7 15:30 | 父島→竹芝 (船) |
旅程詳細
東京・竹芝 → 父島 (5/2–3)
カレンダー上は平日のため、お仕事の方は、5月2日(火)はお休みを取る必要があります。
出発は竹芝客船ターミナルから。
長い船旅になるため、船内では食事や展望デッキ、船室での休息などを工夫しながら過ごします。旅行プランでは1等船室を選択。快適性を重視することで体力を温存し、到着後の観光をより楽しめます。
運航スケジュールは小笠原海運公式サイトを参照ください。
5/2 11:00 → 5/3 11:00 (24時間0分) | 東京(竹芝客船ターミナル) → 父島 | 小笠原海運 (1等) | 62,870円(仮) |
5/3 14:00 → 5/3 16:00 (2時間0分) | 父島→ 母島 | 小笠原海運 (2等) | 5,310円(仮) |
母島の観光 (5/3–4)
母島は人口約400人の小規模な島でありながら、豊かな自然と静けさに包まれています。 固有の動植物を観察できる亜熱帯林や、青く透き通る海でのマリンアクティビティ、そして「都道最南端」に立つ記念碑は象徴的なスポットです。
訪問の際は、母島観光協会公式サイトを参考にしつつ、島の宿泊施設や移動手段を早めに確保する必要があります。
母島→父島 (5/4)
5月4日午後の便で父島に戻ります。翌日以降の観光に備え、夜は島内で休息を取る流れです。
5/4 15:00 → 5/4 17:00 (2時間0分) | 母島 → 父島 | 小笠原海運 (2等) | 5,310円(仮) |
父島の観光 (5/4–6)
父島での滞在は約1日半。主な観光資源は以下のとおりです。
- 自然体験: シュノーケリング、ホエールウォッチング (季節限定) 、星空観察
- 文化・歴史: 第二次大戦の戦跡、開拓時代の史跡
- 展望ポイント: ウェザーステーション展望台や長崎展望台
小笠原村公式観光ページには詳細がまとめられています。
また、アクセス制約により観光客数は限られるため、島全体が過度に混雑することは少なく、「観光地でありながら静けさを感じられる」という特徴があります。
父島→東京 (5/6–7)
最終日は5月6日午後の便で東京へ。帰路も24時間を要します。この長い船旅が終わると、非日常から日常へと戻ることになります。
5/6 15:30 → 5/7 15:30 (24時間0分) | 父島 → 東京(竹芝客船ターミナル) | 小笠原海運 (1等) | 62,870円(仮) |
まとめ
小笠原諸島は「日本で最も遠い東京」と呼ばれるほどアクセスに制約がありますが、その分だけ独自の自然環境や歴史的背景が守られてきました。
固有種にあふれる自然、戦跡や返還の歴史、そしてゆったりとした島の時間。それらは24時間の船旅を経て初めて体験できるものです。
小笠原は単なる観光地ではなく、「時間と距離を費やすことで得られる特別な体験」を提供してくれる場所です。
2023年ゴールデンウィークは、臨時便の増便と暦の並びにより、訪問の好機です。特にゴールデンウィークは、例年乗船券がすぐに売り切れてしまうため、早めの計画が必要となります。