前回は4品のメニューで子音8文字と「前に書いて後に読む」母音3つ(แ-, โ-, ไ-)を覚えた。今回は4つ目の前置き母音 เ- を導入し、母音が子音を挟み込む複合パターンを扱う。メニュー7品で子音13文字と母音7つを追加し、ガパオライスの解読をゴールにする。
前回の文字を忘れていたら、見返しながら進めてほしい。
前回の子音
前回の母音
เฟรนช์ฟรายส์
フレンチフライ。4つ目にして最も重要な前置き母音を覚える。
「ฟ」は「f」。 「น」は「n」。 「ร」は「r」。 「ย」は「y」。
「เ-」は「ee」。子音の前に書いて後に読む。前回の แ-, โ-, ไ- と同じパターンの4つ目。เฟ = fee = フェ。
เ- が最も重要な理由は、この後で見るように他の母音と組み合わさって複合母音を作るからだ。
「-า」は「aa」。子音の後ろに書く長い母音。最も基本的な母音の位置。ฟรา = fraa = フラー。
「์」はガーラン(消音記号)。この記号がつくと子音は発音しない。ช์ の ช は無音。外来語のスペルを保持するための表記。
เฟรนช์ฟรายส์ = フェーレン・フラーイ → フレンチフライ。
新出の子音
新出の母音
เบอร์เกอร์
バーガー。เ- の応用。ここでタイ文字の母音が子音を挟み込むパターンが初めて出てくる。
「อ」は声門閉鎖音。単独では音がほぼなく、ここでは母音の一部として働く。
เ- と อ が組み合わさると、เ-อ で1セットの母音になり「oe(オー)」の音を表す。เ が前、อ が後ろに配置され、子音を挟み込む。
เบอร์ = boe(r) = ボー。เกอร์ = koe(r) = ゴー。
ร์ の ์(ガーラン)で ร は無音。
เบอร์เกอร์ = ボーゴー → バーガー。7文字あるのに音は4音。タイ文字で外来語を書くと英語より長くなることが多い。
これで ชีสเบอร์เกอร์(チーズバーガー)が全部読める。前回の ชีス と合わせて試してみてほしい。
新出の子音
新出の母音
แมคนักเก็ต と แมคสไปซี่
マックナゲットとマックスパイシー。テンポを上げて子音と母音を追加する。
「ต」は「t」。 「ป」は「p」。 「ซ」は「s」。ส も ซ も「s」。同じ音に複数の文字がある例。
「-ั」は短い「a」。子音の上に書く。後ろに子音が続くときに使う。นัก = nak = ナック。
後ろに子音が続かないときは -ะ を使う(ガパオライスで出てくる)。
แมคนักเก็ต = メック・ナック・ゲット → マックナゲット。
แมคสไปซี่ = メック・サパイシー → マックスパイシー。
新出の子音
新出の母音
แมคโจ๊ก
マックジョーク。タイの朝食メニューで、お粥のこと。
「จ」は「j」。
แมคโจ๊ก = メック・ジョーク。แ- も โ- も前回覚えた前置き母音。
โจ๊ก はタイ語でお粥。タイの屋台でも定番の朝食で、街中の看板でよく見かける。
新出の子音
ดับเบิ้ล と หมู
ダブルとポーク。母音の4方向の最後のピース「下」が登場する。
「ล」は「l」。 「ห」は「h」。 「ง」は「ng」。
「-ุ」は「u」。子音の下に書く短い母音。 「-ู」は「uu」。長い版。
ดับเบิ้ล を分解する。前半 ดับ は ด + -ั + บ = ダッブ。-ั は前のメニューで覚えた短い「a」で、後ろの บ とセットで「ダッブ」。後半 เบิ้ล は เ-ิ(เ- が前、-ิ が上に分散する複合形で短い「oe」の音)+ ล = ボン。合わせて ダッブボン → ダブル。
หมู = muu = ムー → 豚肉。-ู が子音の下に書かれている。
これで前回予告した母音の4方向がすべて揃った。
- 後ろ:-า, -อ
- 上:-ิ, -ี, -ั
- 下:-ุ, -ู
- 前:เ-, แ-, โ-, ไ-
- 前と後ろで挟む:เ-อ
ซามูไรเบอร์เกอร์หมู(サムライバーガーポーク)も既出の文字で読める。ไก่(チキン)と หมู(ポーク)はタイの食堂で最も目にする2語だ。
もう1つ覚えておくと便利な単語がある。แมควิงส์(マックウィング)の ง は「ng」 の音。วิงส์ = ウィング。ง は単独で1音を表す子音で、タイ語の固有語にも頻出する。
新出の子音
新出の母音
แมคข้าวกะเพรา
ガパオライス。タイのマクドナルド限定メニュー。この記事の総復習。
「ข」は「kh」。息を強く出す「k」。 「ว」は「w」。 「พ」は「ph」。息を強く出す「p」。
แมค はマック。もう読める。
ข้าว
カーオ → ご飯。
ここで新しい複合母音のパターンが出てくる。-าว は1セットで「aao(アーオ)」 の音。-า(aa)の後ろに ว が加わって「オ」の音を添える。ว は子音(w)としても母音の一部としても使われる文字だ。
้ は声調記号。
ข้าว はタイの食堂で最も頻出する単語。これが読めるだけで、メニューの選択肢が大きく広がる。
กะเพรา
ガプラオ → ホーリーバジル。
「-ะ」は短い「a」。子音の後ろに書く。กะ = ka = ガ。-ั(上に書く短い a)と音は同じだが、後ろに子音が続かないときはこちらを使う。
เพรา はもう一つの複合母音パターン。เ-า は「ao(アオ)」 の音。เ- が前、-า が後ろで子音を挟む。พร は子音が2つ並ぶ「子音クラスター」で、ph + r = プラ。
เพรา = phrao = プラオ。日本語では「ガパオ」として知られるが、タイ文字の読みとしては「ガプラオ」が近い。
全体
แมคข้าวกะเพรา = メック・カーオ・ガプラオ → マックガパオライス。
外来語(แมค)とタイ語(ข้าว, กะเพรา)が1つのメニュー名に混在している。ここまで覚えた文字で全部読める。
新出の子音
新出の母音
まとめ
2回の連載で覚えた文字の一覧。
子音(23文字)
母音 — 後ろに書く
母音 — 上に書く
母音 — 下に書く
母音 — 前に書く(後に読む)
母音 — 複合(子音を挟む)
記号
タイ語には子音が44文字あるが、ここまでで覚えたのは23文字。残りの21文字の多くは、ここまで覚えた文字と同じ音の別表記だ。たとえば ค と ก はどちらも「k」、ส と ซ はどちらも「s」。なぜ同じ音に複数の文字があるのか。第3回ではその理由を解き明かしながら、残りの子音と母音をカバーする。