東海道本線の東京〜小田原間(104.6km)は、支線・貨物線が入り組んだ複雑な区間だ。旅客線だけでも東海道線・京浜東北線・横須賀線が並走し、それに加えて貨物専用の路線がいくつも分岐している。普段乗る東海道線や横須賀線とは別の線路が、すぐ隣を走っている。
この記事では全体像を整理した上で、定期列車で乗れる貨物線区間を特急湘南で乗りつぶした記録を書く。
支線・貨物線の一覧
東海道本線には、東京〜小田原間だけで以下の支線・貨物線がある。
| 通称 | 区間 | 距離 | 定期旅客列車 |
|---|---|---|---|
| 品鶴線 | 品川〜西大井〜武蔵小杉〜新川崎〜新鶴見信号場〜鶴見 | 17.8km | あり(横須賀線・湘南新宿ライン・相鉄直通) |
| 羽沢線 | 鶴見〜横浜羽沢・羽沢横浜国大〜東戸塚 | 16.0km | 一部あり(相鉄直通:鶴見〜羽沢横浜国大、特急湘南等:全区間) |
| 東海道貨物線(並行区間) | 東戸塚〜大船〜藤沢〜茅ヶ崎〜相模貨物〜国府津〜小田原 | ― | 一部あり(特急湘南:藤沢・茅ヶ崎に貨物線ホームあり) |
| 東京貨物ターミナル支線 | 浜松町〜東京貨物ターミナル〜川崎貨物〜浜川崎 | 19.5km | なし |
| 鶴塩線 | 鶴見〜八丁畷 | 2.3km | なし |
| 高島線 | 鶴見〜東高島〜桜木町 | 8.5km | なし |
品鶴線は横須賀線の定期列車で乗れる。羽沢線のうち鶴見〜羽沢横浜国大間は相鉄・JR直通線の列車で乗れる。残りの羽沢横浜国大〜東戸塚間と、東戸塚〜小田原の貨物線並行区間は、特急湘南など一部の列車でしか乗れない。
東京貨物ターミナル支線、鶴塩線、高島線は定期旅客列車がなく、団体臨時列車でなければ乗れない。
主な運行系統と経由路線
支線が多いため、同じ「東海道方面」でも系統によって通る線路が異なる。
東海道線:東京〜小田原。東海道本線の旅客線をそのまま走る。
京浜東北線:東京〜横浜間で東海道線に並走し、横浜から根岸線に直通して大船に至る。横浜以南は東海道線とは別ルート。
横須賀線:東京〜品川間は総武快速線からの地下ルートを走る。品川から品鶴線に入り、西大井・武蔵小杉・新川崎を経由して鶴見へ。品川〜鶴見間で横浜・川崎を通らず内陸側を迂回する。鶴見には横須賀線のホームはなく、通過して東海道線に合流。横浜→大船と進み、大船から横須賀線に入り久里浜方面へ。
湘南新宿ライン:新宿から山手貨物線・大崎支線を経由して品鶴線に入り、横須賀線と同じルートで鶴見へ。鶴見から東海道線に合流して横浜→大船。大船で東海道方面(小田原方面)と横須賀方面(逗子方面)に分かれる。
相鉄・JR直通線:新宿方面から品鶴線で武蔵小杉→鶴見へ。鶴見から羽沢線に入り、羽沢横浜国大を経由して相鉄線に直通する。
このように、品鶴線・羽沢線は複数の系統が組み合わせて使っている。鶴見は本線と各支線が合流・分岐する結節点だが、横須賀線や湘南新宿ラインのホームはなく、乗降はできない。
特急湘南で貨物線を乗りつぶす
東海道貨物線の並行区間(東戸塚〜小田原)と羽沢線を定期列車でまとめて乗れるのが特急湘南だ。特急湘南は平日に運転される通勤特急で、朝の上り(小田原→東京・品川)と夜の下り(東京・品川→小田原)がある。
ただし、すべての特急湘南が貨物線を経由するわけではない。列車によって貨物線に転線する場所が異なり、旅客線をそのまま走る列車もある。どの列車が貨物線経由かは、時刻表の停車駅で判断できる。横浜や戸塚を通過・経由しない列車は貨物線経由の可能性が高い。
貨物線経由の列車は、小田原から東海道貨物線の並行区間を走り、東戸塚付近で羽沢線に入る。横浜羽沢を経由して鶴見へ抜け、新鶴見信号場から品鶴線に転線して品川に至る。途中、貨物線上にホームがある藤沢と茅ヶ崎に停車する。横浜駅や戸塚駅は経由しないため停車しない。
乗車記
特急湘南6号(3076M)に小田原から乗車した。E257系。
小田原を出ると東海道旅客線と並走しながら貨物線を走る。藤沢、茅ヶ崎の貨物線ホームに停車した後、東戸塚付近で旅客線と分かれ、羽沢線のトンネルに入る。横浜の市街地を避けて丘陵地帯の地下を抜ける区間で、車窓は暗い。横浜羽沢を通過し、鶴見で地上に出ると、新鶴見信号場で品鶴線に転線。品川8番線に到着した。
乗車券は小田原→品川の通常のもので乗れる。特急券を別途購入するだけでよい。平日のみの運転なので、休日には乗れない。
なお、羽沢線のうち鶴見〜羽沢横浜国大間は相鉄・JR直通線でも乗れるが、羽沢横浜国大〜東戸塚間は特急湘南などでカバーする必要がある。
未乗の貨物線
東京貨物ターミナル支線(浜松町〜浜川崎、19.5km)、鶴塩線(鶴見〜八丁畷、2.3km)、高島線(鶴見〜桜木町、8.5km)の3路線は未乗。いずれも定期旅客列車がなく、団体臨時列車でしか乗れない。機会があれば乗りたい。